2026年版 kintoneのレコード番号はリセットできる?1から振り直す方法と変更できない理由
本記事は、kintoneの構築・カスタマイズとプラグイン開発の実務経験を持つ筆者が、実際のkintone環境に問い合わせ管理アプリを作り、レコードの追加・削除やアプリコードの設定を試しながら確かめた挙動と、サイボウズ公式ヘルプの記載をもとに整理したものです(確認日:2026年10月12日)。
テスト用に入れたレコードを全部消して、さあ本番運用。ところが最初の1件が「1」ではなく「7」になっている。番号を1に戻したいのに、設定画面のどこを探しても項目が見当たらない——kintoneのレコード番号では、こうした相談がとても多く寄せられます。
この記事で分かることは次の3つです。
- レコード番号が変更もリセットもできない仕様と、欠番が生まれる仕組み
- それでも1から振り直したいときの手順と、作り直しで失うもの
- アプリコードで接頭辞を付ける方法、計算式・JavaScript・REST APIでの扱い方

区分ごとの連番や「EST-2026-0001」のような採番コードを作りたい場合は、kintoneで自動採番する方法が近い内容です。この記事は、レコード番号そのものの仕様に絞っています。
レコード番号は「アプリの中で1本の通し番号」
まずは基本の仕組みです。ここを押さえると、後の「できる・できない」がすべて説明できます。
レコード番号は、レコードを追加したときにkintoneが自動で付ける番号です。公式ヘルプには「レコードに自動で付与される番号で、変更できません」とあり、フィールドの設定項目もフィールド名・表示しない・フィールドコードの3つだけ。開始番号や桁数を指定する項目はありません。
番号はアプリごとに独立していて、作成順に1つずつ増えていきます。フォームに配置していなくても裏では採番されており、一覧の絞り込みや並べ替えの条件にも使えます。
削除した番号は欠番になり、全件削除しても戻らない
実際に試してみました。レコードを5件追加すると1〜5が振られ、3番を削除してから1件追加すると、新しいレコードは「6」です。空いた3番は埋まりません。
さらに全件を削除してから1件追加すると、番号は「7」になりました。レコードが0件になっても、カウンターは最後に使った番号を覚えています。

上の一覧は、全件削除のあとに登録し直したレコードです。先頭が7から始まり、途中で削除した10が抜けています。テスト用のレコードを本番前に消しても、番号は1に戻らないということです。
欠番をなくすことはできないので、レコード番号は「重複しない識別子」と割り切るのが安全です。社外に出す書類番号のように「抜けがあると困る」番号には向きません。
画面でもAPIでも書き換えられない
管理者でも、レコード番号を直接書き換える方法はありません。REST APIでレコード番号に値を指定して登録・更新すると、次のエラーが返ります。
GAIA_UN10: RECORD_ID型のフィールドに値を設定することはできません。
CSVの読み込みでも同じです。レコード番号はCSVの「更新キー」としては使えますが、値そのものは書き換えられません。
1から振り直したいときは、アプリを作り直す
既存のアプリのままリセットする方法はありません。公式ヘルプのFAQ「レコード番号を1から振り直せますか?」でも、アプリを作り直してレコードを入れ直す方法が案内されています。

手順
- 元のアプリを再利用して、新しいアプリを作る(アプリの作成画面で、再利用する元のアプリを選ぶ)
- 元のアプリのレコードをCSVに書き出す(CSVの書き出し方)
- 新しいアプリにCSVを読み込み、[アプリへの反映方法]で[レコードの追加のみ]を選ぶ
- 読み込んだレコードに、1から順に番号が振られる
アプリの再利用でコピーされるのはフォームや一覧などの設定で、レコードは含まれません。CSVの書き出しと読み込みはそのためです。再利用できるのは、自分がアプリ管理権限を持っているアプリだけという点にも注意してください。
作り直しで引き継がれないもの
番号がきれいになる代わりに、失うものもあります。本番運用中のアプリで行うなら、次の点を確認してからにしましょう。
| 引き継がれないもの | 影響 |
|---|---|
| アプリコード・APIトークン・プラグインの設定 | 公式FAQに明記。新しいアプリで設定し直す |
| アプリID | 他アプリのルックアップ・関連レコード一覧、外部連携の参照先を付け替える |
| 添付ファイル | CSVには入らないため、別途移す必要がある |
| コメント・変更履歴・ステータスの履歴 | 新しいレコードとして登録されるため残らない |
正直なところ、運用が始まってから番号のためだけに作り直すのは割に合わないことがほとんどです。作り直す価値があるのは、本番運用の前にテストデータを消したいときくらいでしょう。そもそもテスト用のアプリと本番用のアプリを分けておけば、この問題は起きません。
番号の連続性が業務上どうしても必要なら、レコード番号ではなく「番号用のフィールド」を別に用意するのが筋です。方法は後半で紹介します。
アプリコードで「TOI-8」のように接頭辞を付ける
レコード番号に付けられる唯一の飾りが、アプリコードです。アプリの[設定]タブ、[高度な設定]にある「アプリコード」に英数字を入れると、番号の頭に付きます。

入力できるのは「アルファベットから始まる半角英数字」です。保存してアプリを更新すると、一覧のレコード番号が「TOI-7」「TOI-8」の形に変わりました。

番号を書くだけで、そのレコードへのリンクになる
アプリコードには、もうひとつ便利な効果があります。kintoneのコメントやスペースの本文に「TOI-8」と書くと、自動でそのレコードへのリンクになるのです。

問い合わせ管理なら「同じ内容は TOI-8 を参照」と書くだけで済みます。URLを貼るより短く、読む側も迷いません。
アプリコードを付けるときの注意
- アプリで1種類だけです。区分ごとに「EST」「INV」と付け分けることはできません
- アプリコードを変更すると、変更前のコードで書いたリンクは解除されます。そのコードをほかのアプリで再利用すると、リンク先がそのアプリへ置き換わります
- CSVの書き出しやREST APIで取得する値も「TOI-8」の形になります。数値として受け取っていた連携先がある場合は影響を確認しましょう
計算式ではレコード番号を使えない
「“Q-” & レコード番号」のような計算式で問い合わせ番号を作ろうとする方は多いのですが、これはできません。計算フィールドと文字列(1行)の自動計算のどちらで試しても、保存時に次のエラーになりました。
計算式で利用できないフィールドタイプのフィールド(レコード番号)が指定されています。
エラーメッセージには、計算式で使えない型として「レコード番号、ラベル、リッチエディター、文字列(複数行)、添付ファイル、リンク、ユーザー選択、組織選択、グループ選択、関連レコード一覧、作業者、ステータス、カテゴリー」が並びます。計算式の書き方全般はkintoneの計算フィールドの使い方で解説しています。
JavaScript・REST API・検索での扱い方
カスタマイズで番号を使う場面では、アプリコードの有無で値の形が変わる点に気をつけます。アプリコード「TOI」を設定したアプリで、レコード番号8のレコードを調べた結果です。
| 取り方 | 返る値 | 補足 |
|---|---|---|
record.レコード番号.value(JS・REST) | "TOI-8" | アプリコードがあると文字列で接頭辞付き |
record.$id.value(JS・REST) | "8" | アプリコードに関係なく番号だけ |
kintone.app.record.getId() | 8 | 詳細・編集画面で使える。数値 |
計算や比較に使うなら、$id か getId() を使うのが確実です。レコード番号の値を数値として扱っていると、あとからアプリコードを設定したときに処理が壊れます。
クエリでの絞り込み
検索のクエリでは、レコード番号 = 8 と レコード番号 = "TOI-8" のどちらでも同じレコードが見つかりました。レコード番号 >= 12 のような範囲指定や、order by レコード番号 desc での並べ替えも使えます。アプリコードを設定する前は "TOI-8" では何も返らないので、書き方はアプリの状態に合わせてください。
自由に振れる番号が必要なら、別のフィールドに持たせる
ここまでの制約を踏まえると、答えはシンプルです。開始番号・書き換え・年度ごとのリセットが必要な番号は、レコード番号とは別のフィールドに持たせます。

JavaScriptでレコード番号を別のフィールドに写す
「レコード番号と同じ値を、文字列のフィールドにも入れておきたい」という程度なら、JavaScriptで対応できます。新規保存の直後はまだ番号が確定していないため、保存が終わったあとにREST APIで別のフィールドへ書き込む形になります。
ただしこの方法で得られるのは、あくまでレコード番号の写しです。欠番はそのまま残り、区分ごとに番号を分けることもできません。
採番プラグインで業務用の番号を振る
区分ごと・年度ごとの連番や、日付と組み合わせた番号が必要なら、採番プラグインを使うのが近道です。KIZUNA Worksの条件分岐自動採番 for kintoneは無料で、次のような番号を設定画面だけで作れます。
- 「A事業部なら AD-00001、B事業部なら BD-00001」のように、フィールドの値で番号の文字を切り替え、連番も分ける
- 日付を入れた番号で、年・月・日が変わったら連番を1から始め直す
- 現在の連番値の確認・手動編集(紙の台帳の続きの番号から始めたいとき)

設定の流れは条件分岐自動採番の紹介記事で詳しく紹介しています。
ケース別の対処法
最後に、よくある要望ごとの対処をまとめます。
| やりたいこと | 対処法 | 費用 |
|---|---|---|
| 番号を書き換えたい | できない。番号用のフィールドを別に持つ | - |
| 本番運用の前に1から始めたい | アプリを再利用して作り直す(テストデータは移さない) | 無料(標準機能) |
| 運用中のアプリを1から振り直したい | 再利用+CSVで作り直す。失うものを確認してから | 無料(標準機能) |
| 番号の頭に記号を付けたい | アプリコードを設定する | 無料(標準機能) |
| 区分ごと・年度ごとに連番を分けたい | 採番プラグイン | 無料〜 |
| JS・APIで番号を使いたい | $id か getId() を使う | 無料 |
迷ったら「レコード番号には手を加えず、業務で見せる番号は別に持つ」と考えてください。それだけで、作り直しやアプリコードの変更に振り回されなくなります。
まとめ
- レコード番号は変更もリセットもできない。削除した番号は欠番になり、全件削除しても続きの番号から振られる
- 1から振り直すには、アプリを再利用して作り直し、CSVで「レコードの追加のみ」で読み込む。アプリID・アプリコード・添付ファイル・コメントなどは引き継がれない
- アプリコードを設定すると「TOI-8」の形になり、コメントに書くだけでリンクになる。ただしアプリで1種類だけ
- レコード番号は計算式で使えない。JS・APIで番号を扱うなら
$idかgetId()が確実 - 区分ごと・年度ごとの番号は、別のフィールドに採番プラグインで振る
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