kintoneの一覧を見やすくするプラグイン比較|列固定・行の色分けを実現する方法
本記事は、kintoneの構築・カスタマイズやプラグイン開発の実務経験を持つ筆者が、一覧画面の見やすさ改善に役立つプラグインを、各製品の公式情報と実際の運用知見をもとに中立的に整理したものです。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- kintoneの一覧が見づらくなる具体的な原因と、その切り分け方
- 一覧改善プラグインを選ぶときに確認すべき5つの基準
- 列固定・行の色分け・行番号など、主要プラグインの対応範囲の違い
- 「列固定」と「行の見やすさ」を1つで両立できる選択肢
kintoneの一覧が「見づらい」と感じる3つの原因
kintone(キントーン)は、業務に合わせたアプリをノンプログラミングで簡単に作成できる非常に便利なツールです。しかし、運用の規模が大きくなり、蓄積されるデータ量や管理する項目が増えてくると、多くの管理者が直面する課題があります。それが「一覧画面の見づらさ」です。
社内のDX推進担当者やkintone管理者の方々からは、現場のユーザーから「一覧画面が使いにくい」「目的のデータが探しづらい」といった不満や要望が上がっているという声をよく耳にします。kintoneの一覧画面でデータが見づらいと感じる背景には、実務において主に3つの具体的な原因が存在します。
まず1つ目は、横スクロールをするとキーとなる列(顧客名・案件名など)が画面外に消えてしまう問題です。kintoneの標準機能では、一覧画面の項目数が多くなって画面の右端までスクロールした際、左端にある重要な情報が隠れてしまいます。例えば、顧客名や案件名、管理番号といった「どのレコードを指しているのか」を特定するためのキー列が見えなくなるため、右側の数値をチェックしているうちに「これはどの顧客のデータだっただろうか」と、何度も左右に往復スクロールを繰り返すことになります。この操作は業務効率を低下させる要因となります。
2つ目は、レコードが増えると行の見分けがつかず、目的の行を追いにくい問題です。アプリ内のレコード件数が数十件、数百件と増えてくると、白い背景に黒い文字が整然と並ぶkintoneの標準一覧画面では、隣り合う行との境界が視覚的にあいまいになりやすく、視線を左から右へと移動させている間に、いつの間にか上下の別の行に視線がズレてしまう現象が起こります。結果として、データの読み間違えや、誤ったレコードの編集・更新といった実務上のミスを引き起こすリスクが高まります。
3つ目は、ステータスや期限などの状態が一目で把握できない問題です。業務管理においては、「未対応」「進行中」「完了」といったステータスや、「今日が期限」「期限超過」といった日付情報の優先順位を瞬時に判断できることが求められます。しかし、標準の一覧画面ではすべての文字が均一に表示されるため、緊急性の高いタスクや注意すべき案件が他のデータの中に埋もれてしまいます。一目で直感的に状況を把握することが難しく、確認漏れや対応の遅れにつながるケースが少なくありません。
このように、一覧画面が横長で見づらい、必要な情報を見分けるのに時間がかかるといった課題を解決するためには、一覧画面をカスタマイズして視覚的な補助を行うことが有効です。
一覧を見やすくするプラグインの選び方(5つの基準)
kintoneの一覧画面を改善するためのプラグインは、サードパーティからさまざまな種類が提供されています。自社に最適なツールを選択するためには、どのような観点で比較検討すべきでしょうか。ここでは、選定の基準となる5つの重要なポイントを整理します。
(1)一覧の「列固定」ができるか
横に長い一覧画面での操作性を大きく向上させるために、最も重要とも言えるのが「列固定」の機能です。スクロールしても、顧客名や案件名などの主要な項目が常に画面の左側に固定されて表示され続けるかどうかがポイントになります。この機能があるだけで、左右への往復スクロールのストレスは大幅に軽減されます。
(2)行やセルの「色分け」を条件で柔軟に設定できるか
重要度の高いデータや、特定ステータスの行、期限が迫っているレコードを視覚的に強調するため、条件に応じた色分け(条件付き書式)ができるかどうかも大切です。セル単体の色分けだけでなく、行全体の色を変えることができると、一覧での視認性はさらに向上します。
(3)一覧ビューごとに設定を分けられるか
kintoneアプリでは、利用するユーザーや業務のフェーズに合わせて複数の「一覧(ビュー)」を作成して使い分けるのが一般的です。例えば「管理者用一覧」と「担当者用一覧」で、固定したい列や色分けしたい条件が異なるケースは多々あります。すべての一覧に一律で同じ設定が適用されるのではなく、ビューごとに個別の表示設定が行えるかどうかが運用の柔軟性を左右します。
(4)GASなど外部サービスへの依存がないか
JavaScriptのコーディングや、Google Apps Script(GAS)といった外部サービスとの連携を前提としないプラグインかどうかも重要です。kintone内部で設定が完結する仕様であれば、設定の手間が省けるだけでなく、企業のシステム部門によるセキュリティや運用のためのシステム審査をスムーズに通過しやすくなります。外部依存がないことは、導入ハードルを下げる重要な要素です。
(5)価格・無料での利用可否・試用期間
予算に合わせたコストパフォーマンスの確認は欠かせません。完全に無料で利用できるもの、期間制限のある無料お試し期間が用意されているもの、有料で提供されているものなど、ライセンス体系は多岐にわたります。自社の予算規模と、必要な機能のバランスを見極める必要があります。
一覧を見やすくする主要プラグインを比較
kintoneの一覧画面や表示の改善に役立つ、実績のある主要なプラグインを紹介します。それぞれの製品について、対象となる画面や実現できること、価格の傾向を中立的な視点で解説します。なお、各プラグインの価格や仕様は変更される場合があるため、最新情報は必ず提供企業の公式サイトをご確認ください。
テーブルデータ一括表示プラグイン(TIS提供)
こちらのプラグインは、一覧画面上でサブテーブル(テーブル)の内容を直接確認できるようにするための製品です。標準機能では一覧画面に表示できないサブテーブルのデータを、一覧上で展開して見せることができます。
本製品はサブテーブルの表示が主目的ですが、一覧を見やすくするための付加機能として、一覧画面での列固定機能も備わっています。また、条件書式機能を利用することで、特定の条件(例:数値が一定以上の場合など)を満たした際にセルの色を変更することも可能です。不要なフィールドを非表示にする設定も行えます。
対象画面は一覧画面で、価格は無料で利用することができます。コストを抑えつつ、サブテーブルデータの表示や列固定を行いたい場合に適しています。
条件付き書式プラグイン(ジョイゾー提供)
こちらのプラグインは、あらかじめ設定した条件に一致するレコードのフィールドに対して、背景色や文字色などの装飾を施すことができる製品です。条件設定は「かつ(AND)」や「または(OR)」を組み合わせて柔軟に構築でき、設定画面で実際の見栄えをプレビューしながら調整できるため、管理者が直感的に設定しやすいのが特長です。
文字の背景色や文字色の変更に加えて、文字サイズ、太字、下線、取り消し線といった詳細な文字装飾にも対応しています。さらにモバイル表示にも対応しているため、スマートフォンから一覧を確認する際にも視覚的な効果を維持できます。
対象画面は一覧画面、詳細画面、編集画面です。こちらは有料の製品となっており、30日間の無料お試し期間が提供されています。ただし、装飾は基本的にフィールド(セル)単位であり、行全体を丸ごと色分けする機能や、列固定の機能は含まれていません。
フィールド背景色設定プラグイン(JCS提供)
こちらのプラグインは、レコードの詳細画面において、各フィールドに任意の背景色を設定するための製品です。フィールドの種類ごとにカラーコードを指定して背景色を配置できるため、重要度の高い入力項目や、特定のデータ区分を目立たせることができます。これにより、詳細画面でのデータの見落としや入力ミスを防ぐ効果が期待できます。
対象画面は詳細画面で、無料で利用可能です。注意点として、こちらはあくまで詳細画面のフィールドの背景色を設定するものであるため、一覧画面の行色分けや条件付きの設定には対応していません。
テーブルヘッダ固定プラグイン(JCS提供)
こちらのプラグインは、レコード詳細画面や編集画面の中に配置されているサブテーブル(テーブル)のヘッダ行を固定するための製品です。サブテーブル内の行数が多くなり縦にスクロールした際、一番上の項目名(ヘッダ)が見えなくなってしまい、どの列に入力しているのか分からなくなるという課題を解決します。スクロールしてもヘッダが上部に固定され続けるため、データ入力や確認がスムーズになります。
対象画面は詳細・編集画面のサブテーブルで、無料で利用可能です。なお、本製品はサブテーブルのヘッダを固定するためのものであり、一覧画面全体における列固定機能ではない点に留意する必要があります。
機能比較のまとめ
一覧画面を見やすくするためのプラグインには、それぞれ得意とする領域や対応する画面が異なります。特に、列固定と行全体を見やすくする機能を1つのプラグインで両立できる選択肢は限られており、自社の要件に合わせて慎重に選ぶ必要があります。具体的には、列固定、行の色分け、ゼブラ表示や行番号の有無、ビューごとの設定可否、そして価格といった複数の観点から比較検討することが重要です。
以下に、一覧画面の視認性向上という観点で主要な製品を整理します。なお、テーブルヘッダ固定プラグインはサブテーブル向けの製品のため、本比較表の対象外としています。
| 機能 | 一覧スタイラー(KIZUNA Works) | テーブルデータ一括表示(TIS) | 条件付き書式(ジョイゾー) | フィールド背景色設定(JCS) |
|---|---|---|---|---|
| 一覧の列固定 | ◎ 0〜3列・見出し追従 | ○ 列見出しクリックで固定 | × | × |
| 行の色分け | ◎ 行全体・条件指定 | △ セル単位の条件書式 | ○ フィールド単位・AND/OR | △ 種類別の固定色(条件なし) |
| ゼブラ/行番号/行ホバー | ◎ あり | × | × | × |
| プロセス管理ステータス条件 | ◎ 対応 | △ | △(登録画面は不可) | × |
| 行から詳細を開く | ◎ ダブル/シングル・別タブ | × | × | × |
| ビューごとの設定セット | ◎ 対応 | △ | △ | × |
| モバイル | △(PC版中心) | △ | ○ 対応 | × |
| 対象画面 | 一覧 | 一覧 | 一覧/詳細/編集 | 詳細 |
| 価格 | 基本無料(広告非表示は税込3,300円/年) | 無料 | 有料(30日試用) | 無料 |
※各製品の仕様・価格は変更される場合があります。導入前に必ず各社公式サイトの最新情報をご確認ください。
列固定と行の見やすさを1つで解決する「一覧スタイラー for kintone」
ここまでご紹介したように、一覧画面の「列の固定」と「行の色分けや見やすさの向上」を同時に実現しようとすると、複数のプラグインを組み合わせる必要があったり、設定が複雑になったりすることがあります。そうした課題を1つのプラグインでスマートに解決するために開発されたのが「一覧スタイラー for kintone」です。このプラグインは、kintoneの一覧画面における視認性の不満を解消するために設計されており、現場のユーザーが直感的にデータを把握するための豊富な機能を備えています。

まず、横スクロール時の「キー列が隠れてしまう」という悩みに対しては、左端の列固定機能が効果を発揮します。固定する列数は「0列から3列」の間で柔軟に指定が可能です。画面を右にスクロールしても、顧客名や案件名などのキー情報が常に画面左側に残り、一覧の見出し行(ヘッダー)も固定列に正しく追従するため、データの照合がスムーズになります。
さらに、データが多すぎて目が滑るという課題に対しては、基本の行スタイル設定が役立ちます。奇数行と偶数行を異なる色で交互に塗り分ける「ゼブラ表示」や、全体をすっきり見せる単色、そして全体の文字色の指定が可能です。また、現在マウスカーソルが置かれている行をハイライトする「行ホバーハイライト」機能や、左端に「行番号」を自動で表示する機能を備えているため、自分が今どの行を見ているのかを視覚的に迷うことなく追うことができます。
特定の状態を素早く察知するための機能として、「条件付き行スタイル」も搭載しています。これは、特定のフィールドの値に応じて、行全体の背景色や文字色、太字などを一括で変更できる機能です。対象となるフィールドタイプは、文字列、数値、日付、各種選択肢、さらにはプロセス管理のステータスまで幅広く網羅しています。日付条件については「今日(TODAY)」や「前後N日以内」といった動的な条件指定が可能なため、「締切が3日後に迫っている行を強調表示する」といった運用が容易です。複数の条件を設定した場合は、適用の優先順位をドラッグ&ドロップで簡単に並べ替えることができます。

実務でのデータ詳細確認をスムーズにする機能として、「行から詳細を開く」アクションもサポートしています。一覧の任意の行をダブルクリック、またはシングルクリックするだけで、詳細画面を開くことができます。このとき、画面の遷移方法として「同じウィンドウで開く」か「別タブで開く」かを選択できるため、一覧画面での確認作業を中断することなく、効率的に詳細データの確認や編集が行えます。
システムの管理や運用面でも安心の設計がなされています。プラグインの設定セットは、kintoneアプリ内に作成された「一覧ビュー」ごとに個別に適用することができます。これにより、一覧Aでは列固定を行い、一覧Bでは特定の条件付き色分けを行うといった、業務に応じた柔軟な運用が可能です。さらに、プログラム内にGoogle Apps Script(GAS)や外部システムとの接続設定を一切含まないため、kintoneの環境内で完結します。情報システム部門の審査も通りやすく、スムーズな導入決定が期待できます。
なお、セル単位で細かいデザイン変更を可能にする姉妹製品「フィールドスタイラー for kintone」と併用することも可能です。行全体のスタイルは「一覧スタイラー」でコントロールし、特定のセルだけを「フィールドスタイラー」でさらに強調するといった、より緻密なレイアウト設計も実現できます。
料金体系は非常にシンプルで、すべての機能が「基本無料」でご利用いただけます。無料での利用時には設定画面や一覧表示の際に一部広告エリアが表示されますが、機能に制限はありません。もし社内のルールやデザイン上の理由で広告エリアを非表示にしたい場合には、有料の「年間サポータープラン」(税込3,300円/年)にご加入いただくことで、広告エリアを非表示にできます。つまり、実質的にはすべての視認性向上機能を、コストを気にすることなくお試しいただき、そのまま本格運用に載せることが可能です。
まとめ
kintoneの一覧画面が「横長で見づらい」「レコードの区別がつきにくい」といった悩みは、業務効率に直接関わる大きな問題です。解決にあたっては、各プラグインの特徴を整理し、自社の課題に合ったツールを選ぶことが大切です。
例えば、単純な列固定機能やテーブルデータの確認だけで要件を満たせる場合は、無料の単機能プラグインを導入するだけでも一定の効果が得られます。一方で、「スクロール時の列固定」と「行を見分けるためのゼブラ表示」、「ステータスに応じた行全体の色分け」などをまとめて整理し、直感的に状況を把握できる一覧画面を作りたいという場合は、「一覧スタイラー for kintone」が有力な選択肢となります。
まずはプラグインを導入することで、どれほど業務の手間が削減され、視認性が改善されるかを現場のユーザーと一緒に体験してみてはいかがでしょうか。標準のkintone画面に少しの工夫を加えるだけで、毎日のデータ確認作業のストレスは大幅に緩和されます。
一覧スタイラー for kintone は、全機能を無料でお使いいただけるプラグインとして提供されています。まずは実際にダウンロードし、現在運用中のアプリに適用してその効果を体験してみてください。社内ルールや画面の見栄えの観点から広告エリアの非表示を希望されるお客様向けに、「年間サポータープラン(税込3,300円/年)」もご用意しております。
導入にあたっての手順や、具体的な設定方法についてのご質問、また「自社のこのようなアプリでも活用できるか」といったご相談がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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