【2026年版】kintoneカンバンプラグイン比較|一覧をボード化してドラッグで進捗管理

2026年版 kintoneカンバンプラグイン比較 一覧をボード化してドラッグで進捗管理

本記事は、kintoneの構築・カスタマイズ支援とプラグイン開発の実務経験を持つ筆者が、案件管理やタスク管理の現場で得た知見と各製品の公式情報をもとに、中立的に整理したものです。

この記事で分かることは、次の4点です。

  • kintoneの「一覧」だけでは進捗が見えづらい理由と、標準でできること・できないこと
  • kintoneをカンバン(ボード)表示にするとはどういうことか
  • カンバン系プラグインを選ぶときの5つの基準と、主要製品の違い
  • 無料で試せる選択肢と、自社に合った選び方

kintone(キントーン)は表形式の一覧が基本です。データを貯めるには十分ですが、「いま案件がどのステージに何件あるのか」「どのタスクが止まっているのか」といった“状態の分布”を掴むのは苦手です。この記事では、一覧をカンバン方式のボードに切り替えるプラグインを比較しながら、進捗を俯瞰して動かす方法を整理します。

kintoneの「一覧」だけでは進捗が見えない

kintoneの標準の一覧は、レコードを1行ずつ縦に並べた表です。絞り込みや並び替えはできますが、次の場面では物足りなさが出ます。

  • 状態別の分布が一目で分からない:見込み・提案・交渉・受注がそれぞれ何件あるのか、表を眺めても掴みにくい
  • 金額や件数の合計が見えない:ステージごとの合計金額を知りたくても、標準の一覧は行を並べるだけ
  • 状態を進めるのが1件ずつ:ステータスを1つ進めるたびにレコードを開いて操作する必要があり、件数が多いと手間がかかる

営業のパイプライン、タスクの進行、採用の選考、問い合わせ対応——「段階(ステージ)を進めていく業務」ほど、この“見えない・動かしにくい”がボトルネックになります。

kintoneをカンバン表示にするとは

カンバンとは、状態(ステージ)を横に並べ、その状態に属するカードを縦に積んで進捗を可視化する方式です。付箋を貼ったホワイトボードや、タスク管理ツールのボード画面をイメージすると分かりやすいでしょう。kintoneに当てはめると、こうなります。

  • 状態カード(列の見出し):「見込み」「提案」「交渉」「受注」など、状態の名前と件数、必要なら合計金額を表示する
  • 詳細カード:1件のレコードを、案件名・顧客名・金額などを載せたカードとして表示する
  • ドラッグ&ドロップ:詳細カードを別の状態カードへ動かすと、その状態(ステータス)に切り替わる

「表の一覧」を「動かせるボード」に置き換えることで、分布の把握とステータス変更を同じ画面でこなせるようになります。

kintoneの一覧をカンバン表示にした例。上部に「見込み・提案・交渉・受注・失注」の状態カードを金額合計つきで並べ、その下に案件カードをステージ別に列で表示している

営業パイプラインの例。ステージ別に案件を俯瞰でき、状態カードには件数と金額の合計も表示される。

標準機能でできること・できないこと

まず、kintone標準の範囲でどこまで“状態の可視化”ができるかを整理します。

やりたいことkintone標準の対応限界
状態ごとの件数を数えるグラフ(集計)機能で件数・合計を集計できる集計はできるが、そこから各レコードを直接動かせない
状態で絞り込むステータスやドロップダウンで絞り込み表示できる1つの状態だけを表示。全状態を横並びで俯瞰はできない
状態を切り替えるレコードを開いてプロセス管理のアクションで進める一覧・グラフ画面から直接ドラッグで動かすことはできない
分類ごとに整理するカテゴリー機能でフォルダのように仕分けできるあくまで絞り込み用の分類で、ボード表示ではない

つまり、「集計」と「絞り込み」は標準でできても、“全状態を横並びで俯瞰しながら、その場でドラッグして動かす”というカンバン体験は標準にはありません。ここを補うのが、サードパーティのカンバン系プラグインです。

プロセス管理そのものの設定手順は、kintoneプロセス管理の使い方ガイドで詳しく解説しています。あわせて読むと、状態設計がスムーズになります。

カンバン系プラグインの選び方(5つの基準)

kintoneをカンバン化するプラグインは複数のベンダーから提供されています。自社に合うものを選ぶために、次の5点を確認しましょう。

(1)ドラッグ&ドロップでステータスを変更できるか

「見た目をカード化するだけ」の製品と、「カードを動かして状態(ステータス)まで変更できる」製品があります。進捗を動かす運用をしたいなら、D&Dでのステータス変更に対応しているかが最重要です。

(2)状態ごとの集計を表示できるか

状態カードに件数だけでなく、合計金額や平均などの集計値を出せると、パイプラインの着地見込みや滞留が一目で分かります。営業やプロジェクト管理では効果が大きいポイントです。

(3)写真つきのギャラリー表示ができるか

物件・商品・名簿のように「写真で見比べたい一覧」では、添付画像をサムネイル表示できるかが使い勝手を左右します。カンバン(列で進捗管理)とギャラリー(1状態を写真で一覧)を切り替えられると用途が広がります。

(4)ビューごとに設定でき、外部依存がないか

アプリでは用途別に複数の一覧(ビュー)を使い分けます。ビューごとに個別設定できると柔軟です。あわせて、GASなど外部サービスに依存せずkintone内で完結する製品は、情報システム部門の審査も通りやすくなります。

(5)価格・無料での利用可否・試用期間

カンバン系は月額1万円前後の有料製品が中心です。無料プランや無料トライアルの有無、ユーザー数課金かドメイン課金かを確認し、自社の規模と予算に合わせて選びましょう。

主要なkintoneカンバンプラグインを比較

代表的なカンバン系プラグインを、公式情報をもとに中立的に紹介します。価格・仕様は変更される場合があるため、導入前に必ず各社公式サイトの最新情報をご確認ください(以下は本記事執筆時点の公開情報です)。

カンバンプラグイン(Crena inc.)

状態(グループ)別に列でカードを並べ、ドラッグ&ドロップでステータスやグループ間の移動ができるプラグインです。列ごとのカード数や集計の表示、優先度などで横断する「スイムレーン」表示にも対応し、カード上でレコードの追加・編集・複製も行えます。対象は一覧画面(標準一覧の代替)。価格は月額10,000円(税抜)または買い切り1,000,000円(税抜)で、30日間の無料トライアルがあります。アプリ数・ユーザー数無制限、ゲストスペース対応。

公式ページ:カンバンプラグイン(Crena inc.)

KANBAN(株式会社アーセス)

ドラッグ&ドロップでステータスを変更できるカンバン表示プラグインです。横軸(ステータス)の列をカスタマイズでき、ステータスごとの件数や受注額の合計を集計表示、カード色の設定や作業者のアサイン操作にも対応します。価格は月額10,000円、またはドメイン年額98,000円。お試し申込みが用意されています(試用期間の日数は公式ページでご確認ください)。

公式ページ:KANBAN(株式会社アーセス)

KEIKAK(株式会社アーセス)

プロジェクト管理向けで、ガントチャート・カンバンボード・カレンダーの3形式を切り替えられる製品です。カンバンは状態別の列表示+D&Dでのタスク移動・ステータス変更に対応し、工数やメンバー別リソースの管理も行えます。価格は月額20,000円/年額200,000円で、30日間の無料トライアル(自動課金なし)。カンバン単機能というより、プロジェクト管理の総合ツールという位置づけです。

公式ページ:KEIKAK(株式会社アーセス)

タスクボード(株式会社シーアイエス)

付箋(カード)形式でレコードを表示し、ステータス別の列に並べてD&Dでステータスを変更できるプラグインです。カードにチェックリストを持てるのが特徴。価格はドメイン単位で、100ユーザーまで月額10,000円、101ユーザー以上は月額20,000円(最低利用1年)。30日間の無料試用があります。サイボウズ オフィシャル パートナー認定製品です。

公式ページ:タスクボード(株式会社シーアイエス)

KanbanBoard(合同会社ぱんだ商会)※無料

ドロップダウンやラジオなどのフィールド値や複合条件でレコードをグルーピングして列表示する無料プラグインです。日付フィルタや期間でのグルーピング、カードの表示項目・識別色のカスタマイズに対応します。ZIP配布で無料。主眼は「グルーピングによる列表示」で、ドラッグ&ドロップでのステータス変更については公式ドキュメントで明示を確認できなかったため、その用途で使う場合は導入前に実機でご確認ください

公式ページ:KanbanBoard(合同会社ぱんだ商会)

(参考)カードビュー(株式会社ジョイゾー)

一覧をカード形式で表示するプラグインです(複数テンプレート・背景色/文字色・サムネイル表示)。見せ方をカード化できますが、ドラッグ&ドロップでステータスを変更するカンバン機能は備えていません。「進捗は動かさず、カード表示だけ欲しい」場合の選択肢です。価格は月額3,900円/年額42,900円(税別)、30日間の無料試用あり。

公式ページ:カードビュー(株式会社ジョイゾー)

機能比較のまとめ

主要なカンバン系プラグインを、進捗管理の観点で整理します。

製品(提供元)D&Dで状態変更状態別の集計写真ギャラリービューごと設定無料で使える価格の目安
カードボード(KIZUNA Works)◎ 合計/平均/最大/最小◎ 個別モード◎ 無料1・プレミアム無制限◎ 1ビュー全機能プレミアム年間¥16,500(税込)に含む
カンバンプラグイン(Crena)◎ 列ごと集計-(情報なし)△ 30日試用月¥10,000(税抜)/買切¥1,000,000
KANBAN(アーセス)◎ 件数・受注額-(情報なし)△ お試しあり月¥10,000/年¥98,000
タスクボード(CIS)-(情報なし)△ 30日試用月¥10,000〜(〜100名)
KanbanBoard(ぱんだ商会)△ 要確認-(情報なし)◎ 無料無料
(参考)カードビュー(ジョイゾー)××○ サムネイル△ 30日試用月¥3,900(税別)

※◎=対応、○=一部対応、△=限定的/要確認、×=非対応、-=公式情報で確認できず。価格・仕様は変更される場合があります。KEIKAK(アーセス)はガント/カレンダーを含むプロジェクト管理総合ツールのため、本表では対象外としています。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

こうして並べると、専業のカンバンプラグインは月額1万円前後の有料が中心で、無料の実在オプションはぱんだ商会 KanbanBoard がほぼ唯一(ただしD&Dでの値変更は要確認)という構図が見えてきます。「まず無料でカンバンとD&Dの両方を試したい」というニーズには、次に紹介するカードボードが合致します。

無料でD&Dまで試せる「カードボード for kintone」

当社が提供するカードボード for kintoneは、標準の一覧を**「状態カード(上部)+詳細カード(下部)」の2段カンバン**に切り替えるプラグインです。コード不要で設定画面から使え、無料プランでも1つの一覧ビューで全機能(状態カード・詳細カード・ドラッグ&ドロップ・連動/個別モード)を試せるのが、有料中心の他製品と異なる点です。

kintoneのカードボードでドラッグ&ドロップ中の画面。案件カードを「提案」から「交渉」の状態カードへドラッグし、移動先が点線でハイライトされている

詳細カードを状態カードへドラッグ&ドロップすると、その状態へ切り替わる(プロセス管理の遷移制約に準拠)。

主な機能は次のとおりです。

  • 状態カード+集計値:状態名・件数に加え、合計・平均・最大・最小を表示(例:受注 3件/金額計 6,650,000円)
  • ドラッグ&ドロップで値変更:詳細カードを状態カードへ動かして、ステータス・ドロップダウン・ラジオ・文字列の値を変更
  • 連動モードと個別モード:全ステージを横並びで俯瞰する「カンバン」と、1状態を写真つきで見る「ギャラリー」を切り替え
  • 添付画像のサムネイル:物件・商品・名簿を写真つきカードで共有
  • 絞り込み・並び順に連動:対象一覧の絞り込み条件・並び順がそのままボードに反映され、集計も再計算

kintoneの不動産管理をギャラリー表示にした例。上部の状態カード「募集中・内見予定・申込あり・成約」から募集中を選び、物件を外観写真つきカード(物件名・間取り・最寄駅・家賃)で横4列に並べている

個別モードなら、1つの状態を写真つきギャラリーで一覧。物件・商品・名簿の見比べに向く。

得意なこと

  • 無料で1ビューぶんの全機能(D&D・集計・連動/個別)を試せる
  • 状態カードに件数と集計値を出して進捗と金額を同時に把握
  • カンバン(進捗)と写真つきギャラリー(見比べ)を1つで両立

苦手なこと・前提

  • 単品販売はなく、複数ビューへの適用や広告非表示はプレミアム年間サポーター(年額 ¥16,500・税込)で解放されます(無料は1ビューまで)
  • ドラッグでの値変更は、グルーピング元がプロセス管理ステータス/ドロップダウン/ラジオ/文字列のいずれかであることが前提
  • 変更は閲覧ユーザー自身のkintoneの権限とプロセス管理の遷移制約に従います
  • PCのレコード一覧での利用が中心です

なお、プレミアム年間サポーターに加入すると、複数ビューへの適用が無制限になるほか、当社の販売中プラグインもすべて利用できます。「まず無料で効果を確かめ、必要なら全社展開する」という進め方ができます。

まとめ

  • kintone標準の一覧は「状態別の分布」と「その場でのステータス変更」が苦手
  • カンバン系プラグインは、D&Dで状態変更できるか/集計を出せるか/写真ギャラリーに対応するか/価格・無料枠で選ぶ
  • 専業のカンバンプラグインは月額1万円前後の有料が中心。無料で始めたいなら、無料枠のある製品から試すのが現実的
  • 進捗管理(カンバン)と見比べ(ギャラリー)を無料で試したいなら、カードボード for kintoneが有力な選択肢

一覧を動かせるボードに変えると、進捗のボトルネックが見えるようになり、更新の手間も減ります。各製品の公式サイトで最新の仕様・価格を確認しつつ、自社の業務に合うものを選んでください。


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