【2026年4月最新】kintoneアップデート総まとめ!除外検索・ルックアップ強化・AI機能の活用術まで徹底解説

【2026年4月最新】kintoneアップデート総まとめ!除外検索・ルックアップ強化・AI機能の活用術まで徹底解説

春の訪れとともに新生活や新しい環境での業務がスタートする時期ですが、皆様の組織でのデータ管理やアプリ運用は順調に進んでいますでしょうか。蓄積された情報をどう活かすか、あるいは増えすぎたアプリをどう管理するかといった悩みを抱えている方も多いはずです。

2026年4月のkintone(キントーン)アップデートでは、そうした日々の運用における課題を根本から解決するための強力な機能が多数追加されました。本記事では、実務でkintoneを利用している担当者や、これから本格的な導入・カスタマイズを検討している方に向けて、今回のアップデート内容を網羅的に解説していきます。

単なる機能の紹介にとどまらず、なぜその機能が追加されたのかという背景や、他の機能との相乗効果、さらには設定のコツといった深い洞察を交えてお伝えしますので、ぜひ自社のkintone環境と照らし合わせながら読み進めてみてくださいね。


検索機能の大幅な進化がもたらす業務効率の飛躍

日々の業務において、蓄積された膨大なデータの中から「目的のレコードを一瞬で見つけ出す」ことは、生産性を向上させる上で欠かせない要素です。kintoneの運用期間が長くなるほどデータ量は増大し、標準の検索機能だけではノイズが混じりやすくなるという課題がありました。今回のアップデートでは、かゆいところに手が届くアプローチでこの問題に対処しています。

特定のキーワードを弾く「除外検索(マイナス検索)」のメカニズムと実践的価値

全体検索やアプリ内検索において、特定のキーワードを含む検索結果を意図的に省くことができる「除外検索」機能が実装されました。使い方は非常に直感的で、検索窓に入力する除外したいキーワードの直前に、半角の「-(ハイフン)」を付与するだけです。

これまで、検索結果の件数が多すぎて本当に必要なデータが埋もれてしまう状況において、ユーザーは複雑な絞り込み条件を都度設定する必要がありました。しかし、この除外検索を用いることで、「探しているもの」ではなく「明らかに不要なもの」を削ぎ落とすという逆引きのアプローチが可能になります。

業務シナリオアップデート前の課題除外検索の活用例
営業の顧客リスト抽出「東京都」で検索すると対象外の千代田区も混ざり、絞り込み設定が手間「東京都 -千代田区」と入力し、千代田区を除いた東京都の顧客リストを瞬時に抽出
商品マスタの検索「コーヒー」で検索すると全種類が出てしまい、ホット系だけを見つけにくい「コーヒー -アイスコーヒー」と入力し、アイス系商品を除外してホット系に絞る
社外向けイベント管理「セミナー」で検索すると社内向けも混在し、外部公開用の抽出に時間がかかる「セミナー -社内セミナー」で検索し、対外的なセミナー情報のみを素早く表示

このように、日常的に検索機能を利用するユーザーにとって、少しの工夫で検索精度が劇的に向上する機能となっています。英語と数字で構成された型番などを検索する際にも、ハイフンで区切られた単語ごとに検索をかける手法と組み合わせることで、より高度なデータ抽出が期待できます。

ルックアップの「部分一致」と「1文字検索」の解禁とその波及効果

検索機能に関するもう一つの革新的な変化が、他のアプリからデータを引っ張ってくる「ルックアップフィールド」の大幅な強化です。これは2026年3月の大型アップデートから引き継がれる重要な変更点となります。

従来のkintoneのルックアップ機能には、英数字の単語は完全一致(または前方一致)でしか検索できず、全角文字であっても最低2文字以上入力しないと候補が表示されないという厳しい制約がありました。そのため、長い品番の末尾だけを覚えていたり、担当者の名前の漢字1文字だけが分かっていたりする場合に、検索にヒットせずもどかしい思いをした経験がある方も多いのではないでしょうか。

今回のアップデートにより、英数字の単語内での「部分一致検索」と、全角文字の「1文字検索」が正式に利用可能になりました。たとえば、「ABCD-00123」という長い型番に対して「0123」と入力するだけで目的のレコードを選べるようになりますし、「山」という1文字の入力で「下山」などのレコードが候補に表示されるようになります。

この機能を既存のアプリで利用するためには、少し設定を見直す必要があります。既存のルックアップフィールドはデフォルトで「無効」に設定されているため、アプリの設定画面からルックアップフィールドの設定を開き、「レコード取得時の検索方式」という項目にある「1文字検索と英数字の単語内検索を有効にする(推奨)」にチェックを入れて、アプリを本番環境へ更新しなければなりません。

ルックアップの設定画面。レコード取得時の検索方式「1文字検索と英数字の単語内検索を有効にする(推奨)」にチェックが入った状態

設定変更直後は裏側でインデックスの更新処理が走るため、検索結果に反映されるまで少し時間をおいてから試してみてくださいね。入力の手間が大幅に省け、業務の利便性が飛躍的に向上する素晴らしい改善だと言えます。


アプリ管理機能の拡張とエンタープライズ水準のガバナンス

kintoneの魅力の一つは、現場の担当者がノーコードで簡単に業務アプリを作成できる点にあります。しかし、その手軽さゆえに社内で利用が進むにつれて「誰がどのアプリを作り、現在どのように使われているのか」という全体像を把握しづらくなる、いわゆる「野良アプリ問題」が発生しやすくなります。今回のアップデートでは、システム管理者の負担を大きく軽減し、厳格なガバナンスを維持するための機能群が実装されました。

アプリ設定変更履歴の拡張が意味するトレーサビリティの向上

アプリ設定の「設定変更の履歴」画面で確認できる履歴の保持上限が、従来の最大50行から一気に「最大1,000行」へと拡張されたことは、システムの保守運用において極めて重要な意味を持ちます。

複数人でアプリの改修を頻繁に行っている環境や、長期間にわたって少しずつカスタマイズを重ねてきたアプリの場合、50行の履歴ではあっという間に過去の記録が押し流されてしまっていました。この上限が1,000行まで引き上げられたことで、万が一意図しないフィールドの削除やアクセス権の誤設定などのトラブルが発生した際にも、「いつ・誰が・どの設定画面を変更したのか」を正確に遡って追跡することが可能になります。

これは単なるログの拡張ではなく、属人化を防ぐための「自動生成される設計ドキュメント」としての役割を強化するものであり、安心してアプリを運用し続けるための心強いアップデートです。

「アクセス可能なユーザー数」と「参照しているアプリ数」の可視化

cybozu.com共通管理者が利用できる「アプリ管理」画面のアプリ一覧にも、監査や棚卸しに直結する2つの新しい列が追加されました。

アクセス可能なユーザー数の列が追加されたことで、各アプリに対してアクセス権を持つユーザーの総数を一覧画面から一目で把握できるようになりました。たとえば、特定の部署のみで利用するべき機密情報アプリであるにもかかわらず、アクセス可能なユーザー数が極端に多い場合などは、アクセス権の設定が甘くなっている可能性にすぐ気づくことができます。このデータ取得は手動で行う必要があり、システム負荷を考慮して1日あたり10回までという取得制限が設けられている点には留意してください。

**「このアプリを参照しているアプリ数」**列の追加も重要です。ルックアップの参照元として利用されているマスターアプリなどを改修・削除しようとした際、これまでは一つひとつのアプリ設定を開いて影響範囲を確認する必要がありました。一覧画面で参照されている数が可視化されることで、システム改修時の影響範囲を事前にサッと把握でき、意図しないシステム障害を未然に防ぐことが可能になります。

追加された列名称確認できる内容活用される具体的なシーンとメリット
アクセス可能なユーザー数アプリの利用権限を持つユーザーの総数不要な権限が付与されていないかの監査や、利用実態の把握によるセキュリティ強化
このアプリを参照しているアプリ数ルックアップ等で他のアプリから参照されている数アプリの削除やフィールド変更を行う前に、他アプリへの影響範囲を瞬時に特定し、安全な改修を実現

「Everyone」グループへの権限付与制限によるセキュリティ担保

さらに、管理権限の制限機能も密かに進化を遂げています。全社ユーザーが所属する「Everyone(全社ユーザー)」グループに対して、アプリ管理権限を付与することをシステム管理画面から禁止できるようになりました。

kintoneの操作に不慣れな一般ユーザーが、誤って重要なアプリの設定を変更してしまったり、最悪の場合アプリ自体を削除してしまったりするリスクは、組織規模が大きくなるほど高まります。この制限機能を活用することで、意図しない設定変更リスクを仕組みとして防止し、エンタープライズ企業にも求められる安全なシステム運用基盤を標準機能のみで構築することができます。

次世代の業務プロセスを支える「kintone AIラボ」の実装

2026年のビジネス環境において、生成AIの活用はオプションではなく必須の戦略となっています。kintoneにおいても公式のAI機能である「kintone AIラボ」が本格的に稼働し始め、日々のデータ活用からシステムの構築・管理に至るまで、AIが強力なアシスタントとして介入する体制が整いました。

生成AIをシステム構築・運用に組み込む新しいアプローチ

kintone AIを利用するには、システム管理者またはcybozu.com共通管理者が画面右上の歯車アイコンから「kintone AI管理」を開き、機能全体を有効化した上で、利用したい個別のAI機能にチェックを入れるという簡単な手順を踏むだけです。

提供されている機能群は非常に多岐にわたります。たとえば「検索AI」は、「◯月の見積りデータを表示して」といった自然な日本語を入力するだけで、表記ゆれやスペースの有無を柔軟に判断し、kintone内の目的のデータを探し出してくれるチャットボット機能です。また、「アプリ作成AI」は作りたいアプリの要件をチャットで伝えるだけで自動的にフォームを構築してくれ、「プロセス管理設定AI」は複雑になりがちな承認ワークフローの設定を対話型で支援してくれます。

これら公式のAI機能は、kintoneの細やかなアクセス権限設定を完全に継承して動作します。つまり、閲覧権限のないユーザーがAIを経由して機密情報にアクセスしてしまうといった情報漏洩のリスクはありません。さらに、入力された社内データが外部のAIモデルの学習に利用されることも一切ないため、非常にセキュアな環境で最先端のテクノロジーを享受することができます。

「アプリ設定レビューAI」とガイドラインによる自律的な品質管理

数あるAI機能の中でも、システム管理者にとって最も恩恵が大きいと考えられるのが「アプリ設定レビューAI」です。この機能は、現場のユーザーが作成したアプリの設定内容が、社内の運用ルールに準拠しているかどうかをAIが自動的にレビューし、指摘してくれるというものです。

特筆すべきは、管理者が自社独自の「ガイドライン」をAIに学習(設定)させることができる点です。システム管理画面からアプリ設定に関するルールや観点を登録しておくことで、AIはその基準に沿ってチェックを行います。

ガイドラインの観点管理者が設定するルールの具体例AIによるレビューと期待される効果
命名規則の統一アプリ名の冒頭には、必ず対象となる「部署名」を含めること部署名がない場合にAIが指摘し、一覧画面での検索性や整理整頓を維持する
セキュリティ・権限個人情報を含むアプリは、全員が閲覧できる状態にしないことアクセス権限が「Everyone」のままになっている危険なアプリを自動検知する
ユーザビリティ向上アプリ管理者用メモや説明欄に、アプリの目的や主な利用者を明記すること説明不足のアプリを指摘し、他のメンバーが見ても用途が明確な状態を保つ

さらに面白いのは、AIがレビュー結果を返す際の「トーンや形式」までもカスタマイズできる点です。「指摘内容が複数ある場合は、重要な2つに絞って表示してください」といった指示や、「最初に全体の総評を1行程度で書き、そのあとに箇条書きで指摘事項を列挙してください」といった細やかなフォーマット指定が、最大約2万文字まで入力可能です。

これにより、現場の担当者が自律的にアプリを開発するスピード感を損なうことなく、システム管理者が人力で行っていたチェック業務の負担を劇的に削減できるのです。

モバイル活用と開発者向けAPIの拡張によるUIの進化

現場作業員や外出の多い営業担当者にとって、スマートフォンやタブレットからいかに快適にデータを入力・確認できるかは、システムの定着率を左右する決定的な要因です。今回のアップデートでは、モバイル環境での操作性を向上させるための実用的な機能と、それを支える開発者向けAPIの拡張が行われました。

スマートフォンからの画像添付における自動補正と編集機能の追加

スマートフォン版kintoneアプリからレコードに画像を添付する際のプロセスが大幅に改善されました。これまで、建設現場での報告書作成や経費精算の領収書アップロードなどにおいて、撮影した写真の向きがおかしかったり、暗くて文字が読み取れなかったりした場合、ユーザーは一度別の画像編集アプリを開いて画像を加工してから、再度kintoneに添付し直すという煩わしい手順を踏む必要がありました。

今回のアップデートにより、モバイルアプリ内で直接画像の「回転」「トリミング」「明るさの調整」を行った上で、そのままスムーズに添付することが可能になります。また、書類のスキャン時には自動的にトリミングや傾き・歪みの補正が行われるため、常に綺麗で視認性の高い状態のデータを蓄積できるようになります。

ちょっとした手間の削減ですが、毎日のように画像付きで報告を上げる現場のユーザーにとっては、ストレスを激減させる非常に嬉しい改善ですね。

JavaScript APIを利用した直感的なモバイルUIの構築

標準機能のアップデートだけでなく、独自のカスタマイズを行っている開発者向けにも強力なAPIが提供されています。JavaScript APIを用いたモバイル版のUI強化により、ブラウザベースのkintoneでありながら、まるで専用に開発されたネイティブアプリのようなリッチな操作画面を構築できるようになりました。

具体的には、画面の下部からスッと現れる「ボトムシート」や、操作の確認を促す「確認ダイアログ」、画面上部でお知らせを表示する「通知バナー」、処理中の待ち時間を視覚化する「ローディング画面」などをAPI経由で作成することが可能です。

また、PC版およびモバイル版の両方において、レコード一覧画面の表形式のスタイルを変更・取得できるAPI(setRecordListStylegetRecordListStyle)も追加されました。これまではフィールドの見た目を変更するためにHTML要素を直接操作するような強引な手法がとられることもありましたが、新しいAPIを使用することでkintone本体のアップデートに左右されにくくなり、メンテナンスコストを抑えながら安全にカスタマイズを適用することが可能になります。


組織への定着を後押しする学習コンテンツとプラグイン活用

どれほど素晴らしい機能が追加されても、それを活用するユーザーのスキルや理解が伴わなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。組織内でkintoneを定着させ、真の業務改善を実現するためには、適切な学習アプローチと、自社の業務にフィットする拡張機能の選定が不可欠です。

「kintoneゼミナール」が提供する初心者向けハンズオンの価値

これからアプリ作成を始めたい方や、kintoneの基本概念をしっかりと学び直したい推進担当者に向けた、サイボウズ公式の入門セミナー「kintoneゼミナール」が順次開講されています。このゼミナールは、単なる座学ではなく、実践形式の「オリジナルの総合演習」を通じて理解を深められるのが大きな特徴です。

わずか60分のセミナーの中で、kintoneの基本的な考え方から、実際の操作、そして簡単なアプリ作成までを一通り体験することができます。講座内容も、「テーブル/計算/グラフ・集計表」に特化した講座や、「ルックアップ/関連レコード一覧/アクション」の連携を学ぶ講座など、実務で頻出する機能ごとに細分化されています。

実際に手を動かすことで、「自分でも簡単にアプリが作れる!」という成功体験を得ることができ、社内でのDX推進リーダーとしての自信を深めることができるでしょう。

標準機能を補完するサードパーティ製プラグインの戦略的導入

最後に、今回強化された検索機能をさらに別次元へと引き上げるサードパーティ製プラグインの活用についても触れておきましょう。ルックアップの部分一致検索や除外検索が標準機能として実装されたものの、kintoneの基本機能には「50MB以上のファイルはファイル名しか検索できない」「複雑なAND/OR検索を行うには絞り込み設定画面を都度開かなければならない」といった制約が残されています。

これらの課題を解決するために、自社のニーズに合わせて以下のようなプラグインを組み合わせて導入することを検討してみましょう。KIZUNA Worksでもkintoneプラグインを提供していますので、あわせてご覧ください。

プラグインの種類主な機能と解決できる課題想定される導入メリット
簡易検索プラグイン一覧画面の上部に検索窓を直接表示し、Google検索のようにAND/OR検索を即座に実行できる複雑な絞り込みのステップを省略し、よく使う条件をプリセット化して全社で共有できる
横断検索プラグイン複数の異なるアプリにまたがって、1回のキーワード検索で目的のデータを探し出す機能顧客情報や過去の商談履歴が複数のアプリに分散している場合でも、情報を横断的に収集できる
条件分岐自動採番プラグイン事業部や入力内容に応じて「AD-00001」「BD-00001」といった異なるフォーマットの採番を自動で行う標準機能では実現不可能な複雑なルールに基づく連番付与を、ノーコードで確実に実行する

ノーコードで360種類以上のカスタマイズを実現する「gusuku Customine」などの強力なツールと組み合わせることで、トランザクションの多い複雑な業務であっても、柔軟かつ効率的にkintone上で処理する仕組みを構築できるようになります。


おわりに

2026年4月のアップデートは、「検索機能の強化による日々の作業ストレス軽減」「システム管理の可視化によるガバナンス強化」、そして「生成AIによる自律的な運用支援」という、非常にバランスの取れた全方位的な進化を遂げています。

まずは、すでに利用しているアプリのルックアップ設定を開き、「1文字検索の有効化」にチェックを入れてみることから始めてみましょう。それだけでも、入力担当者の利便性は劇的に向上するはずです。

また、システム管理者の方は、アプリ管理画面でアクセス可能なユーザー数を定期的に取得し、セキュリティのほころびがないか監査するプロセスを日常業務に組み込んでみてください。

kintoneは、ツールを導入して終わりではなく、組織の成長や業務の変化に合わせて常に形を変えていくことができる柔軟なプラットフォームです。最新の機能アップデートやAIの力を積極的に取り入れながら、皆様の組織にとって最適な業務改善のサイクルを回していきましょう!


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